以前の記事でベントオーバーローイングは「ベントオーバーシュラッグ」と呼んでると書かせていただきましたが、その理由を詳しく説明させていただきます。
まず、手首の角度でも使う筋肉が変わることはすでに述べさせていただきましたが、まずは手首の動きの関連性を見てみましょう。
①のように手を伸ばして手首を下に曲げ、手の先をくっつけたまま、
(肩甲骨を寄せても寄せなくてもどちらでもいいです)力を入れず一気にみぞおちに引いてください。
そうすると肘は開き、肩が少し上がると思います。
②は手首を逆に上にまげ(ちょっとまった!という手の使い方)、
①と同じよう手と手をくっつけ一気にみぞおちに引いてください。
そうすると肘は後ろに下がり、肩は上がりません。
本来体幹部の筋肉、胸・背中は肘が開くと使えません。
また、肩が上がると肩から先の腕でしか使えず大きな力は出ません。
②のような使い方にならないと広背筋を使った引く運動にはならないのです。
柔道でも引き込みの時の手首は②のようになっているはずです。
テニスや野球の打撃でも手首は②と同じく手の甲の方に返っています。
どのスポーツも手首を返し、脇を閉め(閉める方向で)体幹部と連動させているのです。
手首がフィニッシュ時、①のように手首が返る人は背中(広背筋)を使えていません。
このことがご理解できるでしょうか・
では次にベントローを見てみましょう。
よく見かけるベントローの姿勢。この状態で引ききると手首が下に返ります。
これは先ほど説明した体幹部が使えない肘の方向に行こうとしますので広背筋は使えません。
「でもひききった時、広背筋に収縮感があるし効いてるゾ!」
それは引くときの負荷ではなく、重りが振り子のように動いた移動での負荷です。
前から後ろに動いて止めただけです。純粋な重力に対して重りの負荷ではないのです。
これを広背筋で引いたと勘違いするのです。
本来、フリーウエイトの筋トレは重力に対して重りの動く方向に負荷がかかりますので、
このフォームの軌道は重りが上に行きますので、僧帽筋になるのです。
僧帽筋で上に引き込み、さらに肘を体の後ろに移動して止めるという動きです。
さらに連動性から見て、肘も開き肩が上に逃げる動きなので、
広背筋の使える率はさらに下がるのです。
いずれは広背筋に効くフォームも説明させていただくのですが、
肘の角度も重要で、肘が開いた状態では広背筋などを使う引く運動は不可能になります。
(※この場合、使われる筋肉は体重移動による背骨に沿った中心部の筋肉になります。)
ベンチプレスで、肘を曲げていけば大胸筋は伸びるので力が入りにくくなりますが、
腕を伸ばせば力が入りやすくなると同じで連動性の問題です。
例えば、いろいろな難しいい競技に挑戦する
スポーツ・エンターテインメント番組「SASUKE(サスケ)」で、
ぶら下がって移動する競技でうまくいく人たちの肘は
伸ばさず常に90度以下になって体を使っているはずです。
(※図の肘の角度はギリギリ90度ですが、実際はもっと開いているはずです。)
このような観点からも、図のようなベントオーバーローイングのフォームは
広背筋の効く率は低いといえるのです。
図のようなベントローをしている方は僧帽筋か脊柱起立筋がよく発達しています。
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